« 猫を保護するということ | トップページ | 特等席はテレビの上?(BlogPet) »

特等席はテレビの上?

先だっての土曜日、家人が休日だったので一緒に家電量販店に出向きました。
特段欲しいものもなかったので冷やかしのつもりでしたが、ふと思い立ちテレビ売り場へ。
そう、薄型テレビを置くことのできない事情のある我が家にとって生命線(大げさ?)とも言うべき存在である「地デジ対応ブラウン管ハイビジョンテレビ」の実物をこの目で確かめたかったのです。
現在のテレビ売り場は当然のことながら薄型、つまり液晶とプラズマタイプが主流で、ブラウン管タイプは端っこの方に追いやられている中、無事発見できたのがTOSHIBA製の32インチ。
「ああ、あったねえ」と、目線よりやや上にディスプレイされたそれを二人でしげしげと眺めていると背後にいつしか店員さんの影が忍び寄っていました。
「テレビをお探しですか」
いかにも大型テレビを買いそうな年齢層の客、と踏まれたらしく店員の名札には「店長」の二文字。
すぐ買うつもりもないこと、そして猫がいて薄型は買えないこと、を説明しても彼は一向に私たちの傍を離れません。
価格的にもブラウン管の方が薄型よりかなり安価ですし、製造中止にさえならなければ地デジに変わる2011年までにはこれを買おう、と家人と決めて売り場を離れようとしましたが、こちらの都合などお構いなしにさんざっぱら薄型テレビのメリットを説明した挙句彼はこうのたまったではありませんか。
「猫ちゃんも寿命がありますし、亡くなった時のことを考えれば薄型に…」
その瞬間私の中で回路がぷち、っと切れ、血の気が引きました。
-こいつのいるこの店であたしゃ死んでも買い物しないぞ!
そう心に決めると、まだ何か声高に話している店員をさっさと捨て置いて家人ともどもその店を後にしたのは言うまでもありません。

テレビの上が、猫たちの特等席になる季節になりました。
というのも、日中の室温が18℃を割り込むまで我が家ではストーブを使わないため、実はこの時期が一番寒い。
膝大好き猫陽太は既に毎朝れいあと共に私の膝の上争奪戦を繰り広げ始め、カノンは毎晩ベッドに入ってきます。
風雅でさえソファに座っている私の太ももに寄り添うようになり、身近に猫を感じる機会が増えるとそれに比例してみもざへの思慕の念が増していくから不思議ですね。
みもざは、毎晩ベッドに入ってくるだけでなく、ちょっと暑くなったら布団から出るのはカノンと同じですが、そのままリビングに戻って行ってしまうカノンと違い、私の枕の上に移動するだけで一晩中私の傍から離れません。
怖い夢を見、汗まみれになって目が覚めたその時、みもざの愛らしい寝顔が隣にあるだけでどれだけ気持ちが安らいだことか。

傍目には、みもざを喪ってからの私の日常とそれまでの私のそれとは大差ないように見えるかもしれません。
でも、現実に私の「生きるためのパワー」は明らかに減少しています。
何をしても、何を食べても、どこに行っても、心の底から楽しむことができなくなりました。友人とのメールでのやりとりすら億劫です。

もうすぐ彼女の初めての命日。
ミモザの花を取り寄せて、大好きだったささみやチーズを用意して迎えるつもりでいますが、それを過ぎてもまだ私はきっとパワーを取り戻すことはできない、そんな予感がしています。
いつになればこの悲しみは癒えるのでしょうか。いえ、癒える日はくるのでしょうか。

我が家のワイドテレビの上はみもざが優先権を持っていました。例え誰がそこにいても、彼女は力ずくで押しのけて寝そべっていました。
だから我が家は、破壊を恐れてという理由だけでなく、いつみもざが帰ってきてもいいように、いつまでもブラウン管のテレビを使おうと決めているのです。

onthetv1003
心地良さそうにまどろむ姿も愛らしい。
もう一度この姿を見ることができるのなら、私は何を失っても構いません。

|

« 猫を保護するということ | トップページ | 特等席はテレビの上?(BlogPet) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 特等席はテレビの上?:

« 猫を保護するということ | トップページ | 特等席はテレビの上?(BlogPet) »