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その衝撃がもたらすもの@三冠馬誕生に寄せて

伝説が作られる瞬間をリアルタイムで見ました。

ディープインパクト。
この馬の疾駆する姿はさながら空を飛ぶようなそれ、で、一完歩また一完歩と前を行く馬を追い詰めていくにつれ他の馬の動きは止まり、気付くと彼だけがターフにいた、終わってみればそんなレースでした。

普通あれだけ折り合いを欠けばしまいにあんな脚は使えません。
つまり彼は普通の馬ではない、ということ。
かつての名馬、ハイセイコーやオグリキャップ、ビワハヤヒデのように血統的裏づけがない馬と違って彼は父に日本最高の種牡馬を、兄姉にオープン馬を持つ所謂良血です。
種馬になってからも自分に負けずとも劣らない名馬を輩出する可能性が高く、トウカイテイオー以外にこれといった馬を出せなかった現在の最強馬シンボリルドルフを超える成績を残すことができるのではないでしょうか。

同じ4つ脚なのに。

どうしたらこういう馬を作ることができるのだろう。
今年ノーザンファームの生産馬は目覚しい活躍ぶりを見せています。
クラシックを制覇しただけでなく、そのレースの出走馬を見たらノーザンを始めとして社台、白老、追分、と社台G生産馬が多いこと多いこと。
果たしてこれで競馬の公正は保たれるのでしょうか。

以前、某生産者さんから聞きましたが、とあるGⅠが終わったばかりの馬主用エレベータの中でこんな会話を耳にしたそうです。
「あの馬には勝たせたくないから、ツブれてもいいからゼッタイ競りかけろと言ったんだ」
2頭出ししていた方の1頭。確かにその馬は無謀とも言っていいほど人気馬と競って惨敗しています。
それが事実なのかどうかはわかりません。それでも、ペースメーカーなのでは、と疑いたくなる馬もいたりして、それが同じ馬主が何頭も同じレースに馬を出走させればレース展開を作りやすいのは間違いないことです。

確かに、社台グループ生産馬だけになってしまっても、それは競馬という優勝劣敗の世界では致し方ないことであり、そういう事態に陥ってしまったことはそれを許した他の生産者にも責任がある、ということ。
今年ここまでのGⅠは14。そのうち社台G以外の生産はフェブラリーのメイショウボーラー(浦河)、天皇賞のスズカマンボと宝塚のスイープトウショウ(静内)、中山GJのカラジとスプリンターズのサイレントウィットネス(海外)のたった5頭。
今回の菊花賞だって出走馬16頭のうち7頭が社台G生産で、しかも人気はほとんどその彼らが背負っていたわけで、社台Gだけのレース、と言っても過言ではありません。

別に偉業に水を差すつもりは毛頭ありませんし、あのレースを見ていて鳥肌が立ち、一瞬涙で目が曇ったのは実際、強い感動を覚えたからです。
でもこのままでいいんだろうか。

来シーズン、アグネスタキオンの種付料が1500万という噂を聞きました。
恐らくこのまま無敗もしくは海外などのビッグタイトルを手にしてから繁殖入りすればディープインパクトも初年度から1000万ほどの価格設定になるでしょう。
サンデーを失ったことで斜陽か?と危惧しましたがそれどころではなく、社台Gはますます繁栄の一途を辿っています。
ファンは強い馬であれば応援するでしょうし、その出自には拘らない、少なくとも私はそうです。
でも、同一馬主、生産の馬が1つのレースで多頭数出走し、そこに「作為的な駆け引き」が存在してしまったら(明らかになってしまったら)果たしてどうか。

日高でも、例えば買戻しのオファーがしつこく届くワイルドラッシュを若手の生産者たちが導入してみたり、幾つかの生産者が集まって育成場を経営したり、と努力はしていらっしゃるようです(地元ではもっと様々な努力がなされているのでしょう。外野にはわかりませんが)。
それでもセリの結果などを見れば大手の馬主は社台Gにしか目を向けていないことは明白。
ディープインパクトのような馬がいっそサマーセールやウインターセールで輩出されればいいのですが…

一般紙やスポーツニュース以外の報道番組でも大きく取り上げられているディープインパクト。
文字通り彼の与えた影響の深さはこれからも語り継がれることでしょう。
社台G生産初の三冠馬誕生に、馬産地の行く先が見えた。そんな印象を受けた菊花賞でした。

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 昨日はとにかく無敗の三冠馬誕生に酔った。公言通りに前日から深夜、寝台特急に乗っ [続きを読む]

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