がっかりした。
政令指定都市で知名度も高い札幌市の上田市長が震災がれき受け入れ反対を表明したというニュースを見て、この人が心底嫌になった。
(反対に、稚内市の工藤市長は要請があれば受け入れる、という考えを明らかにした!)
そもそも社会党出身だ。自衛隊の存在をあれほど否定してきた政党出身の人だ。
それが、雪まつりに関しては当たり前のように自衛隊の支援を要求する。
海外派遣には反対だ。でも雪まつりには参加しろ。
何故国の税金で働く人たちが、訓練などというおよそ信じられない名目で札幌市に観光収入をもたらすための雪像を作らなければならない?おかしな話だ。
そして、誰もそれを口にしない。本当におかしな話だ。
雪まつりに来場された道外の皆様、ご存知でした?あの大きな雪像のほとんどが自衛隊の皆さんが「訓練のために」作成したものなんですよ。
話が逸れてしまったが、こういう人だからこそ、あの道新の世論調査でさえ札幌市民の8割が、放射線量が国の定めた基準以下の数値であれば受け入れて構わない、という意見なのに、何に配慮したのか、震災がれきは一切受け入れない、という独断を下したのだろう。
一部の「市民」にはこの決定をもてはやし、賢明な判断だの、光明を見ただの・・・こういう人たちこそが、もし自分が被災して、がれきが発生する地域におかれたならば真っ先に大声を上げるんだろうな。
震災がれきの存在を、原発反対に結び付けようとする動きはとても危険だし、何となく気味が悪くも感じる。
毅然とした態度でがれき受け入れを表明している静岡県島田市の桜井市長には様々な妨害工作もあるようだ。それを行っているのは島田市民だけではないのではないだろうか。
個人的には石原都知事の考え方は好きではない。強者としての目線でしかモノを見られない傲岸不遜な人だと思っていたし、今でも思っている。
でも震災がれきの受け入れに関しては、この方のリーダーシップが殊更頼もしく見える。
復興、復興、とバカの一つ覚えみたいに口にするマスコミ。
でも、その一方でがれき受け入れに激しく拒否反応を起こす一部「市民」の運動を大きく取り上げてみたりとさながら受け入れ促進を妨げるような報道を繰り返すのは何故?
小さな子供を抱いた母親にインタビューすれば、恐らく聞きかじり程度の知識で不安感を口にするだろうし、それを見ていて不安を覚える人もいる。
でも、私はそういうお母さんを責める気にはなれない。
放射線量について、明確な基準を「信頼するに足る」政府がきちんと公表しさえすれば、勢い反対派だって口をつぐまざるを得なくなるはず(いや、こういう人たちはちゃんと論理のすり替え方法を編み出すだろうけど)。
それができないから、徒に不安を煽って世論の方向操作をする人たちが出てくるわけで。
私も原発はいらないと考えている。
理由は至極単純。
今回のような「想定外の」天災で事故が起きた場合、取り返しのつかないことになるから。
原発がなくなって、火力発電への依存度が高まると大気汚染が・・・とか、燃料問題・・・とか確かに単純に片づけることのできない問題もそりゃ発生するだろう。
でも、少なくとも放射能汚染で人の住めなくなる死の街ができることはない。
東電と時の政権と官僚とで自分たちにとって都合のいいようにやってきた原子力発電。
様々な利権も絡んでいるのだろう。
東電の国営化だって、個人的にはすべきだと思うけれど、様々な省庁の思惑があって簡単にはいかないとも思う。
推進派も反対派も、どこに真意があるのか見えて来ない中、被災地、そして山積みのがれきだけが取り残されている感が否めないのは私だけなの?