諸々おめでとう
所謂「袴田事件」―容疑者として逮捕され、死刑が確定、その後長きにわたって無罪を主張していた袴田巌さんの再審請求が静岡地裁で認められた。
驚いたことに、地裁は証拠の捏造、という文言まで使って当時の捜査を糾弾、死刑の執行のみならず拘置の停止まで決定したのだ。
直ちに袴田さんは保釈、ではなく「釈放」された。
メンツをつぶされた形の検察側は即時抗告するそうだが、恐らくできることと言えば再度のDNA鑑定くらいのもので、あくまで私見だけど特別抗告までされることなく高裁でも地裁の判断を支持するという結論になるのでは?
これ以上敗北感を味わいたくないなら、抗告しない方がいいと思うんだけど・・・
とても喜ばしいニュースの中で、気になったというか憤りを感じたのは、袴田さんに最初の死刑判決を下した静岡地裁の元裁判官がマスコミにしゃしゃり出てきてコメントしていること。
あの時、自分だけはこんな証拠で有罪にできない、と意見したが他の二人には聞き入れてもらえなかった―こんなこと今更口にして何になる?
私だけは恨まないでくれ?それとも私は正しかった?とでも言いたいの?
いずれにせよ判決は下されたわけで、今更何を主張しても、何の意味もない。
守秘義務という言葉を知らないわけでもあるまいに、見ていてとても不愉快だった。
もう一つ思ったのは・・・どこかにいる(もしくはいた)真犯人の存在だ。
恐らく被害に遭われたご一家にも親類縁者がいらしたはずだから、彼らはきっと犯人とされた袴田さんを恨んでいただろう。もしかしたらその刑が執行されることを積年の思いで望み続けていたかもしれない。
それが、今になって「真犯人は他にいる」などと言われても(恐らくこの事件については早くから冤罪の可能性が囁かれていたから何らかの覚悟はお持ちでいらしたのかもしれないけれど)どう気持ちを整理したらいいのか。
釈放された後、宿泊先として用意されていたホテルへ向かう袴田さんや姉、支援者の乗る車内を、テレ朝が独占取材していた。
車もホテルも、全てテレ朝が手配したのかな。相当密に交流がないとここまで好意的に取材をさせてもらえることはないだろうから、長い時間をかけて関係を構築していたことが窺える。
ホテルの綺麗な部屋で、清潔なシーツや柔らかいマットレスなどに埋もれて休まれている袴田さんのお顔には疲労感だけではなく緊張感も見られて、そりゃ、急にお姉さまが現れて「釈放」を告げられてもそう簡単に信じることなんかできなかっただろう。
輪島功一さんを始め、国内外からボクサー仲間も袴田さんの無実を信じて共に戦ってきたのだそうだ。
有志のプロモーターが後楽園ホールに「袴田シート」を設置したのは昨年のことだそうで、今回の再審請求はそれだけ認められる公算が強い、と周囲も判断していたようだ。
検察の面子なんてどうでもいい。ただひとつしかない真実の前に、今何をすべきかよく考えて、正しい行動を取って欲しい。
それにしても・・・無実の罪、で拘留されたあげく死刑判決が出て数十年囚われのまま、なんてわが身に起きたら、と想像することさえしたくない。
どうか袴田氏のこれからの人生、取り戻せないものがあまりに多すぎるにしても、これからの未来に少しでも多くの幸せがありますよう。
フィギュア世界選手権SP。
男子は町田樹選手の演技の素晴らしさに驚かされた。
高橋大輔選手がもし引退したら、彼の後継者は町田だ。あの表現力は羽生にはない。
ジャンプはもちろん、スケートそのものが美しい。今回も演技後のインタビューで語りまくって(笑)いたが、もうナンボでも語ってください。だって本当に素晴らしかったんだから。
女子は浅田真央選手の(以下同文)。
フジテレビはテレ朝の真似をするだけでなく、流石あと出しジャンケン、エレメンツごとの得点まで出してくれるようになったのだ。
基礎点自体は、実は3-3の方が高かったりする3A。リプニツカヤはルッツ―トゥループを完璧に飛んでみせたが、鈴木はこれが2本ともトゥループ。今回完璧に滑り終えたけど、基礎点の差があるから点もここまでしか伸びない。
コストナーは、トリノ五輪の演技が信じられないくらい、華麗でのびやかで美しいプログラム。浅田に次ぐ高得点も当然。
男女共に、優勝するのは当たり前だけどミスのない選手だと思う。
男子はフェルナンデス、町田、羽生、女子は浅田、リプニツカヤ、コストナー。上位3人はそれぞれこのメンバーで決まるんじゃないかな。
今日も明日も本当に楽しみ。
いつも、当事者である私たちが忘れていても、実家の母がメールをくれたりして思い出させてくれた「結婚記念日」
今年はとうとうそれもなくなり、過ぎて初めて思い出すという体たらく。
ま、今はそれどころじゃあないから、ほとぼりが冷めたら(?)美味しいイタリアンでも食べにいこう。もちろん家人の奢りで!
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