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想像したくないけどしちゃうんだよなあ

久々に「読まなきゃよかった」本に出会った。

このミス本は当たり外れが比較的少なく、どれを読んでもそれなりに楽しめたけど(四日間の奇蹟、は不運でしたね。東野圭吾の『秘密』は素晴らしい作品でした)、この本はイントロこそ興味を引くものだったけれど読み進むにつれ徐々に面白味がなくなってきた上に、何しろ私が最も忌み嫌う存在が「犯人(?)」だったこともあり、只管読後感が悪かっただけ。

この作品が大賞、というのならどこがミステリーなのか聞いてみたいと思うし、このミス、というタイトルがダブルミーニングなのか?と嫌味の一つも言ってみたくなる。

以下ネタバレも甚だしいので、もしご興味はあれど今後この本「生存者ゼロ」をお読みになる予定がないという方(!?)は続きを読む、をクリックしてください。

北海道の石油プラントが連絡不能状態になり、派遣された陸自の三佐などが感染症で全滅したと思しき多数の無残な遺体を発見。
嫌気性の細菌が見つかったが、そこから先に進まず、三佐と共に、海外に放逐された感染症学者に原因究明とこれ以上の感染阻止が託された。

原因不明の感染症とみられていた症状で北海道道東の町がいくつも壊滅状態に陥るのだが、現場に飛んだ三佐と学者は「殺戮者」が細菌そのものではなく、それによって変化を遂げたアレであることに気付く(嫌いだから書けないのよ、白かろうが黒かろうが)(うわあああ思い出してしまった)

・・・確かに導入部まではいろいろな意味でミステリーだったのに、「殺戮者」が何者であるかわかった時点からかなりその要素が失われてしまった感がある。

政治家の描写があまりにもステロタイプ。答弁ひとつとってもあまりにわかりやすすぎるから違う意味で腹立たしくなってくる。
途中で登場する若い昆虫博士も、この伏線がすぐに回収されることはもう火を見るより明らかで、しかも彼女の描写がちっとも魅力的に感じられないのだ。

また、感染症学者は同僚の陰謀で海外においやられ、しかも最愛の妻や息子までその同僚の所為で命を落としたようなものだから復讐心を持ち続けるのだが、彼の描写もぶれが大きくて、これは私の読解力の無さの所為かもしれないけれど、最後までイメージが造りにくかった。

結局、その「殺戮者」に滅ぼされるか、あるいは違う手段であるかだけのこと、そう予見させるエピソードを最後に紛れ込ませるなど、決して明るい終わり方ではないこの小説。

まあ最大の読後感の悪さ、はこれもあくまでも私の場合、ですが、「殺戮者」がアレだったこと。
設定上、私の住む街もアレの襲撃を受けていただろうし。あううううう。

何がミステリーなのか、がまずミステリー。私の感想はこの一言に尽きるかもしれない。
文章そのものは読みやすいし、多分ストーリーテラーとしては才のある方なんだろうとも思うけれど、少なくとも私はこの本をもう二度と手にすることはありません。

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