本を読みました。
私が三流ゴシップ誌に成り下がった、と激怒しつつも週刊文春を手にするのは、ひとえに連載小説の為だけであって、だから買わないで立ち読みorしにくい時は咄嗟に買う、くらいの付き合いも、その連載が終わったら全くなくなる(予定。もし好きな作家が連載始めたらわからないけど)。
その連載とは、大沢在昌氏のあの「水原」シリーズで、超人的な存在に違和感を最初は覚えたものの、それを払拭する筆力で今は毎週ドキドキしながら読んでいる。
大沢氏の最新文庫化作品(かな?)「獣眼」も、その厚さに最初は怯んだものの、新しいキャラが登場するらしいのでこれは読んでおかなければ、と思い切って購入した。
・・・冒頭はよかった。あ、ここから先は著しいネタバレなので後で読んでください。
連日の猛暑の中、今日は久々に朝から青空が広がっている。
雨の後の湿度の高さもなくなって、実に北海道らしく爽やかなのはいいが、日差しが強いので念入りに日焼け止めを塗っている。
うっかり腕を焼いてしまったら、太陽湿疹と共に酷いシミができてしまって実に切ない。
もう若くないのだから、気を付けよう。あうううう。
月末の内地、まだ暑いかなあ・・・(え?)
冒頭はよかった。キリ、という人物像は大沢作品の主人公たちの遺伝子を程よく集めた感じ。ガードされる対象のさやかという少女もいかにも、という雰囲気の魅力的なヒロイン。
読み進めていくうちに神眼という存在が大きくクローズアップされ、それを取り巻く人間たち―その能力を利用する形で作られた組織や、警察がそれぞれに動き出すと話は一気に加速していくのだが、ラスト、本の厚さにして数ミリ辺りのところで、多分これを読んだ大多数の方が「へ?」と口にしたのではないだろうか。
唐突に出てきた双子の存在。
いや、ちゃんときっかけというかヒントはあった。でもまさかいきなりさやかが双子の片割れでした、とか、ミカゲのおばちゃんがさやかの母、栞の双子の片割れでした、とか、これはもうあと出しジャンケン、いや反則の範疇に入らないか?!
父は双子だった。その片割れがツブシという存在だった。バチカンと手を組んで、神眼の存在を「見守る」ためにのみツブシはあった。まあそれも受容できる。
だからさやかを狙っていたのはツブシではなかった。
というか、そもそもさやかは狙われていたのか?という話にさえ展開していってその時点で脳裏にはてなマークが点滅し始める。
・・・でもね、いきなり何で、その神眼とやらが血も繋がっていない栞に行くわけ?!
「私に来ちゃった」的なお話ではないでしょ?もうこうなったら誰にでもアリじゃん。親が双子なら、血縁あろうがなかろうが?ってこと?
1つの血縁に1つしか開かないそうだが、血統って逆流(?!)もアリなわけ?
そして、もっとも拍子抜けというかコケさせられたのがタイトルの獣眼だ。
それの持ち主であるというさやかの双子の妹、ほのかはその実像すら描かれない。キャラとしては全く、客観的に語られただけであっさり殺されてしまうという、さながら2時間ドラマの冒頭でいきなり殺害される温泉の泊り客程度の扱いでしかない。あんまりだよねえ。
栞が自宅への放火で警察に囚われている。彼女に神眼があるから、血縁のあるさやかは開いていない。
でもいずれ栞が死んだらさやかに神眼が開くだろう・・・ってもはやそれもわからないよねえ。もうどうでもいい話ですが。
最後の最後で帳尻を合わせようとしたのかわからないけれど、正直途中まで面白かっただけにガッカリ感が半端ない。
こんな感想持ったのって私だけなのだろうか。
そして連載小説もどこに落としどころを見つけるのだろう。水原や星川の運命は?タカシはどうだっていいんですが(ああいうキャラは嫌いなので)、木崎や湯浅も含めて皆連載終了時生きていてくれますように。それにしてもチョイ役だと思っていた湯浅、だんだん逞しくなってきた。
あまりに死者が多すぎる(笑)から、水原シリーズはドラマ化できそうにないけれど、万が一映像にするのなら、湯浅は小出恵介でぜひ!
水原は・・・思い浮かばないなあ。天海祐希なんかいいかも。星川は尾身としのり!これは決まりだよねえ(笑)
WOWOW辺りでひっそりとドラマにしてくれないかなあ・・・
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