届きました
17日、届いた段ボール箱を開けたら、中に入っていたのは発注したものとは似ても似つかないボトルのシングルモルトだった。
―やられた!
言葉は汚いが、真っ先に浮かんだのはこの言葉だ。
希少なウイスキーをこの価格で販売していることを疑ってかかるべきだったのだ、と己を責めつつ、箱に封入されていた明細に記載の連絡先に電話をかける。
と、意外にもきちんとした受け答えの事務員らしき女性が出、全面的に謝罪の言葉を並べた後、調べて『発送ミス』であったことを認めた。
かなりこちらも語気荒くなってしまったが、とりあえず即日再発送の上、折り返しでその商品を送り返してくれるよう頼まれて承諾。
で、これから本来の商品が送られてくることになっている。
時間指定で16時―18時。果たして懐かしのスコッチは無事届くか?!
・・・無事到着。
箱こそないけれど、間違いなく、それも古いタイプの方の未開封のそれが届いた。安堵。
ヤマト運輸の馴染みのイケメンドライバーに少し待っていてもらって、スコッチの入っていた箱にシングルモルトを詰めてお渡しした。
ああ、これでもう少しの間あの美味しさを楽しめるんだ。嬉しい。
このお酒を当たり前にお店で飲んでいたのは確か20数年前のこと。そして、その頃はご馳走してくださる人も少なからずいたため実は自分のお金で飲んだことがなかった。
初対面、も赤坂の隠れ家的バー。飲み友達(スポンサー?)と一緒に探したお店で、カウンター席に座って、勧めていただいたのがこのスコッチだった。
寡黙なバーテンダーは常にオンザロック用の丸く大きな氷を削っていたっけ。
フォアグラのパテとメルバトーストが美味しかった。
あの頃はまだ、20数年後に自分がこういう状況下にいるなんて想像だにしていなかったし、そう、ろくすっぽ手入れなんかしなくたって肌はピカピカだった。
若さは永遠ではない。そんなこと考えてもみなかった。否、考えたとしても現実味なぞなかったのだ。
不惑さえ超えた今、ウイスキーこそ同じものを飲んでいても、グラスを持つ私の手はしわが増えた。
鏡の用に光る氷に映る顔はたるんでいる。
いつからか(いや、実はきっかけはあるけどちょっと書けない・・・)、自分のケアにかける時間が増えた。
顔、髪、体、これでもかというくらい塗ったりしたりすることが増えた。
これが歳をとるということなのか。悪あがきと笑わば笑え、だ。私は足掻く。少しでも若く見られたいし、若くいたいから。
届いたスコッチは、何かいいことがあったら開けよう。でも、何か、って何?
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