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命を譲渡できるなら

昨日は最愛の猫の命日だった。
黄色をメインにした小ぶりなアレンジを作ってもらい、骨壷と共にテーブルに並べる。
今年は特にご馳走もなし。ごめんね、みーちゃん。

今でも思う。ヒトのであっても構わない。要らない、と捨ててしまおう、としている命なら、ほんの少しでもいいからみーちゃんに分けてほしかった。
猫に、『生きたい』という意思があるとは正直思っていない。でも、どこか人間臭いところのある猫だったから、もしかしたら悔しい気持ちを抱いたまま逝ってしまったのかもしれない。

猟奇的な事件が発生し、マスコミはこぞって大騒ぎ、収集した仔細な情報を先を争うように報じている。
キャスターたちも大興奮。目を輝かせながら、それでも殊勝な顔つきを忘れずに、ここぞとばかりにスタジオに現れる精神科医や犯罪心理学者など「その道のプロ」たちへ疑問を投げかけては大げさに頷いたり納得したりしなかったり。

家人と、どこかの局でコメントを求められた精神科医とが同じ感想を漏らしていた。
「送致される際に顔を隠していたことが意外(家人は『がっかり』と表現)だった」

・・・あれだけの犯罪を短期間に犯すような異常者だ。きっと毅然とした、もしくは薄ら笑いでも浮かべた表情でいるに違いない、二人とも多分そう思ったのだろう。
顔を隠すような、「常人」であるはずがない。じゃなきゃこんな犯罪をどう分析するのか。

私だって全く理解できない。特に、嗅覚の優れている(と自負している)身としては、夏場、ほんの少しの生ゴミが腐臭を放つだけでたまらなくなるというのに、複数の遺体・・・ああ、想像もしたくない。

この事件に関しては、もしかしたら真相は解明されないまま終わるのかもしれない。
それにしても、これほど自殺願望のある人が多く存在しているなんて、そちらの方がむしろ私には驚きだった。
そして、死に急ぐあまり、得体の知れない男とでもいいから一緒に思いを遂げようとする若い女性が多数いることも。

私だって病んでいると自覚したこともあれば、手ひどく傷つけられて落ちに落ちたこともある。でも一度も希死念慮を持ったことはない。というより怖くて己を殺すことなんかできない。
臨死経験もないけれど、多分、全身麻酔をかけられて意識を失う瞬間の、あのブラックアウトのような感覚が一番近いんじゃないかな。

あくまでも個人の意見ですが(?)、人生は非常に主観的なものであって、私が生きている世界は私の主観の中にあり、私が生を追えた瞬間、その世界も存在しなくなる。現実は全て私の意識の中に構築されていて、実は全ての人たちはそれぞれに自分の世界の中で存在している。だから輪廻転生なんてありえない。死後の世界なんて存在しない。

・・・話がずいぶん逸れてしまった。
犯罪そのものは確かに猟奇的で変質者の行為そのものだ。そして動機や殺害方法、あるいは被害者の身元など、これから捜査が重ねられて、果たしてどこまで解明されるのかはわからない。
ただ、精神鑑定などで彼が無罪になることはないと思われる。そう、あの護送車の中での態度だ。彼は理性が備わっている。多分冷静に犯行を重ねていったのだろう、目的はわからないけれど。

怖いなあ。隣人がシリアルキラー。更に複数の、9人なら多数の、と言ってもいい数の遺体がすぐ傍に存在していたのだ。同じアパートの住人たちの受けた衝撃の大きさは到底想像がつくものではない。
アパートの資産価値も大きく下がる。間違いなく転居を考える入居者はいるだろうし、「あの部屋」に敢えてこれから入居したいという人もいるまい。

語弊があるのは承知の上だけれど、この事件で得をするのはマスコミだけじゃないかな。
亡くなられた方やそのご家族、あるいは容疑者の親族など、そしてアパートの住人、管理サイド、全てが全く理不尽に命を落とし、傷を受けた。

だから、マスコミはせめて誠実に、面白がることなく真実だけを伝えてほしい。


自殺なんか考えないでほしい。生きていたくても生きられない、そんな人がたくさんいるのに・・・という常套句こそ、自ら死を考えている人にとっては残酷な言葉なのかもしれないけど。


明日は久々に一人カラオケに興じてこようかと。
溜まったストレスを発散させ、落ちてしまったままの気持ちを少しでも持ち上げてこようと思う。
2日遅れだけれど、彼女の名と同じタイトルの曲を歌ってこよう。
会いたいな。

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