終わったか・・・
「アンナチュラル」が終わった。終わってしまった、というべきか。
同じ法医学モノの「きらきらひかる」も好きだったけれど、こちらは原作があった(主人公が女性に変わっていたり、オリジナルキャラが増えていたりとかなり改変されてはいたが)。でもアンナチュラルは完全オリジナル。脚本家野木亜紀子さんのアタマの中で描かれた作品だ。
逃げ恥にハマった人は(私も含めて)まず脚本家の名前に惹かれて初回を見たことだろう。
そもそも医療モノが好きだったこともあって、ダブルで期待していたけれど、その期待を裏切るどころか更に上回るデキに、びっくりさせられた。
初回は録画を失念していたので慌てて2回目から毎週録画予約をかけたが、2回目以降、各回何度見返したことか。
(ちなみに、amazonでも有料コンテンツとしていつでも見られる。そのうちCSで一気に再放送するだろうから、その時こそ逃さないで録画しよう)
実は、中堂役の井浦新がどうにも好きではなかった。叔父と姪の禁断の恋愛を描く悪趣味なドラマで全く魅力の無いヒロインのこれまた自己中な相手役を演じているのを偶々見てしまってから、外見も含めて好きではないどころか嫌いな男優トップ3に入るくらい、そうどちらかと言えば避けて通っていた人だった。
でも、このドラマでの役柄がそもそも人好きのするタイプではないということもあり、相乗効果で逆にヒロイン石原さとみへの感情移入がしやすくなった。
更に彼が持つ、実はヒロインと通ずるもののある倫理観と、理不尽に恋人を殺害した犯人への復讐心とが回を重ねるごとにあぶりだされていくのを見ていたらいつしか嫌悪感も消えていたから不思議だ。実際、ヒロインに感化されていく様子は実にその加減が見事で、この脚本家の人物描写は細密かつ大胆だとうならされてしまった。
松重豊演じるUDI所長の存在がドラマに与える重厚感も大きかった。
仲間、だった大杉漣さんご逝去の報と時を同じくしてのオンエア。そこに東日本大震災の現場にいたという設定も重なれば、もちろん脚本上のセリフであるのだけれど、彼の一言一言が幾度と無く楔を打ち込んでくれた。
最終回で、検察に対して切った啖呵と、後の法廷でのヒロインと彼らとの利害の一致、そして初回の東海林のセリフ―ウォーキングしないデッド(!?)―、諸々含めて、このドラマでは、張り巡らされていた伏線が次々回収されていく爽快感まで生み出され、あまりにすっきりとしたラストに言葉ももう出なくなるほど感心させられてしまった。
久々に見た国広富之、正直演技は下手だったけれどいい味出していた(笑)ずんの飯尾和樹、「何か、ある」と最後の最後まで思わせた葬儀屋役の竜星涼、結果美味しいとこ取りの池田鉄洋、そしていつしかお母さん役が定着した薬師丸ひろ子等々、脇を固めていた役者たちもそれこそ適材適所で、キャスティングをした方の慧眼ぶりにも脱帽だった。
ぜひ続編を作ってほしい。きらきらひかる、もSPがあったが、そう連ドラでなくても構わないから、もう一度彼らに会いたい。
ただし、コードブルーの二の舞だけは勘弁して欲しい。石原さとみ演ずるヒロインの恋模様―六郎と中堂の間で揺れ動く、とか―なんか間違っても描かないで欲しい。
まあ、この脚本家ならそんな野暮なことはしないだろうけれど。
だからこそ、ブルーレイボックスは買わないつもりだ。
どうせNG集や、ドラマの裏側、みたいな特典映像がついているだろうけれど、それを見たいとは正直思わない。
それだけ、ドラマでの各キャラクターが好きだから。あのドラマの世界を壊して欲しくはないから。
それにしても石原さとみ、って本当に魅力的な女優さんだ。つくづくそう思わされた。
ユニクロのオンラインショップで買ったホワイトデニム(など)が届いた。実店舗でも白いシャツやロングカーデなどを購入。今春はもう洋服は買わないつもりだ。
5月の帰省の時にはすでに東京は夏服が必要になっているだろうから、それまでに住めない自宅から薄手のニットなどを持って帰ってこなきゃ。
季節は徐々に春めいてきているけれど、相変わらず私の心の中は冬のまま。
いつか暖かくなる日は来るのかな。なんてね。