珍客再び
またも―と言っても前回が2005年のことだから9年ぶりに、我が家に珍客が訪れた。
朝、事務所の玄関を掃き掃除しようとホーキを手に外を見たら、ガラス越しの目の前、ほぼ目線の高さに黒い塊が。
・・・ん?毛虫?ずいぶんとまあデカい・・・えっ?!
そう、それは紛れもなくコウモリだった。体長は数センチくらい。鋭い爪でしっかりと、逆さになって柱にしがみついている。
前回は、猫なら余裕で捕獲できそうな低い位置にいたのですぐに保護したのだが、今回は猫にはまず間違いなく届かない。でも、逆にカラスには全身が丸見え状態だ。
幸か不幸か、外猫(最近去勢したあの懐かないヤツ)がここ1週間ほど顔を見せないのでご飯を出していなかったからカラスも来ていなかった。
ま、カラスさえいなければ外敵らしい外敵もいないし、このまま放置しておけば夕方にはどこかに飛んでいくだろう、とホーキを持ってドアを開けた途端、そこに外猫が。
・・・お前、よりによって、今日?!
1週間ぶりに彼は舞い戻り、いつも通りてんこ盛りにされたドライと、ウエット1パックを平らげて悠々消えて行った。
カラスも賢くて、コイツがご飯を食べている間、数十センチほど離れた場所で見守っているのだが、流石に不意打ちだったらしく今朝は姿が見えない。
でも油断はできない。万が一捕食でもされてしまったらと思うと仕事も手につかない。
ということで、昼休み、捕獲作戦に乗り出すことにした。
プラの蓋付カップに移して、前回同様納屋の中に放す。簡単そうに思えても、何しろ敵は目線の位置にいる。もしも触ったとたんに逃げてしまったら顔に向かってくるかもしれない。じんわりと湧き上がる恐怖感。
それでもやると決めたらやるしかない。
使い捨ての手袋を右手に3枚左手に2枚重ね、左手にカップを持ってそっとコウモリの上に被せ、右手でそっと柱から引きはがしてコップに落とす。
すかさず蓋をして、無事ミッション終了。
そのまま家人の運転する車で納屋へ。そして、前回のコウモリと同じ場所に放してやった。
きっと同じように、薄暗い奥の方へ飛んでいくに違いない。
ところが、ああ良いことをした、と2人で喜んでいたらコウモリのヤツ、セオリーに反して(?)開いたドアの隙間から明るい外へ飛び出していったのだ!
弱っているように見えていたけれど、元気だったらしい。なんなのさ、もう。
恩返しは期待してませんよ(と書く辺りが・・・)。ただ、現在絶不調な我が社が前回の時のような業績に少しでも近づけるよう、ちょっと後押ししてくれると嬉しいな。なんちて。